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2008/05/15 日記<スバル・アルシオーネ>
スバル・アルシオーネ
スバル・アルシオーネは、富士重工業が過去に製造していた2ドアクーペタイプの乗用車である。
概要
1985年6月7日、富士重工業はパーソナル・スポーツクーペ「アルシオーネ」シリーズを発売した。国内発売に先立つ1985年1月に、すでに:en:Subaru XT:|スバルXTクーペとして「デトロイト・ショー」で初披露され、富士重工業としては初の海外先行発売車種となった。「デトロイト・ショー」デビューに際して、各国のモータージャーナリストを招いた大々的な試乗会や、アメリカ映画|ハリウッド映画へ登場させるなど、「XTクーペ」へのアメリカ合衆国|アメリカ市場における富士重工業の期待の大きさを窺わせた。入念な事前プロモーションの結果、アメリカ市場では、発売直後こそ非常に好調な販売で推移したが、1985年9月の「プラザ合意」以降の急激な円高のために商品力が低下。急遽、既存のEA型水平対向エンジン|水平対向4気筒エンジンに2気筒を追加して、6気筒、排気量2.7Lの「XT6」(日本名:アルシオーネ2.7VX)が企画され、1987年、販売に移された(アメリカ発売は1988年度から)。しかし、「廉価でスタイリッシュなクーペ」から「先進的な高級パーソナル・クーペ」への突然の趣旨変えが受け入れられたとは言い難く、期待されたアメリカ市場での販売を回復することは出来なかったため、コンポーネントから専用設計とした「スバル・アルシオーネSVX|SVX」に再起を賭ける事になった。メカニズムでは従来の油圧多板クラッチに専用コントロール・ユニットによるパルス制御と取り入れることにより、前後駆動トルク配分を自動制御する「ACT-4」、オートマチックトランスミッション|オートマティック・トランスミッションの4速化、電動モーター・アシストによるパワーステアリング「CYBRID」、アンチロック・ブレーキ・システム|ABSのライン装着など、非常に意欲的なアクティブ・セイフティに対する姿勢は、現在でも一部に高い評価がある。
変遷
年 | 月日 | イベント | 1985 | 1 | アメリカ「デトロイト・ショー」で北米デビュー | 6/8 | 日本発売開始。「4WDアヴァンギャルド」 | 10 | 第26回「東京モーターショー」に2.7L水平対向6気筒エンジン搭載「ACX-II」を参考出品 | 1986 | 3 | VSターボオートマティック追加 | 1987 | 7/4 | 2.7L水平対向6気筒エンジン搭載「2.7VX」追加。アルシオーネ・シリーズ マイナーチェンジ
| 1989 | 8 | 2.7VXに新色「ブラックマイカ」追加 | 1991 | 9/18 | スバル・アルシオーネSVX|アルシオーネSVX発売(モデルチェンジ)
| | グレード展開
1985年6月の発売時には、VRターボ(4WD)、VSターボ(FF)の2グレードで、VRターボのみ3速ATと5速マニュアルの選択が可能だった。1986年3月にVSターボに3速ATを追加。1987年7月に、2.7VXを追加(「E-4AT」4速ATのみの設定)。
また、VRターボはVRに、VSターボはVSに、呼称が変更され、ATが3速から4速になり、4WDのAT車のトランスファはMP-T(マルチプレート・トランスファ)からACT-4(アクティブトルクスプリット4WD)になった。因みに、新車解説書や整備書には、3代目スバル・レオーネ|レオーネ(オールニューレオーネ)の2ドア版と書かれている(2.7VX以外は、3代目レオーネとの共通部品が多い)。
エクステリア
リトラクタブルヘッドライトを採用した特徴的なウェッジシェイプ(くさび形)のスタイリングで、カタログには「エアクラフトテクノロジーの血統」と国産車で初めてCD(空気抵抗係数)値=0.30の壁を突破、CD値=0.29を達成し、CD×A(空気抵抗係数×前面投影面積)=0.53、CLF(揚力係数(前))=0.10、CLR(揚力係数(後))=0(いずれもVSターボ)という空力性能の理想の徹底追求が大きく謳われており、*リトラクタブルヘッドライト採用の低いフロントフード
フロント、リヤウィンドウの傾斜角を同じ28度に設定
複雑な三次元成形のリヤウィンドウ採用による、フラッシュサーフェス・ラップラウンド・キャビン
ライズアップ格納機構を備えたコンシールドタイプ・シングルブレードワイパーの採用
ボディからフローティングさせた「スペースシャトル|スペースドアミラー」
可動式フラップでボディ表面の凹凸を完全になくす「エアプレーンタイプドアハンドル」
アンダーフロアのフラットボトム化
タイヤハウスへの風の巻き込みを防止するサイドエアフラップ
ボディ下部に流れる空気を整流してスムースに流すリヤアンダースポイラー
空気抵抗と揚力低減に最適なハイデッキ、ダックテール形状などが列挙されている[1987年6月 富士重工業発行 アルシオーネ・カタログ(62A-6)]。自動車工学では車両の空気抵抗の低減は燃費、高速安定性など自動車の性能向上に有効であることは、1960年代後半からのレーシングカーにおけるエアロパーツ|ウイング、スポイラーなどの採用による劇的な性能向上によって証明されていたが、市販乗用車でアルシオーネほど空力性能を訴求した例はなく、それがどれほどの効果があったのかはともかく、今なお、斬新なボディ・スタイリングとともに、現在もアルシオーネを特徴付けているポイントである。アルシオーネ登場以降、国産各社のカタログにも空力についての記述が見られるようになり、その影響は決して小さくなかったといえるだろう。一方、2,465mmというホイールベースは3代目レオーネ(AA型)と全く同じで、全長×全幅×全高=4,450(4,510※2.7VX)×1,690×1,335(1,295※VSターボ)mmという寸法は、1982年登場の2代目ホンダ・プレリュードの全長×全幅×全高=4295×1690×1295mm (XX)にかなり近い。ボディカラーはVRターボ、VSターボともにツートンカラーとし、ホワイト、レッド、ブルー、ダークグレーのそれぞれがライトグレーとの組み合わせとなっている。1987年7月、水平対向6気筒エンジン搭載の2.7VXの登場に伴い、アルシオーネ・シリーズはマイナーチェンジ。2.7VXにはパールホワイト・マイカ、ディープレッド・マイカ単色の専用色が与えられ、開口部を拡大したフォグライト埋込の大型衝撃吸収バンパー、14インチアルミホイールを装着。また、フロントフードのエアインテークが省略される。4気筒シリーズについては2トーンカラーを継続。ホイールの14インチ化に伴う、新デザインのホイールキャップの採用など変更は軽微に留まり、差別化が図られた。またグレード名から「ターボ」が外れ、単に「VR」「VS」と呼ばれるようになった。インテリア
低めの着座位置に高いセンターコンソールといった、当時の「スペシャリティ・クーペ」の文法に適ったドライビングポジションに、センターコンソールから運転席前方に続く切り立った広い平面に、スイッチ、メーター類を散りばめた、壮観なインストルメントパネル、ガングリップ・タイプのシフトレバー、左右非対称のL字型スポークステアリング、一般的なコラムスイッチの機能をそれぞれボタンスイッチに分割して独立したパネルに配置した「コントロール・ウィング」の組み合わせは、当時の富士重工業の主張する個性が良くも悪くも形になったものである。また、テレビゲームさながらのデザインが話題になった「エレクトロニック・インストルメントパネル」[VRターボオートマチックトランスミッション|ATのみにメーカーオプション。1987年7月のマイナーチェンジで廃止]と呼ばれる液晶式デジタル・メーターも用意された。前期型は、簡単な減算・平均車速表示機能の付いたトリップコンピューター(1987年7月のマイナーチェンジで廃止)、4スピーカーロジックコントロール機能付きAM/FMチューナーカセットコンポも標準装備とされ、当時の富士重工業のフラッグシップに相応しいフル装備を誇った。内装色には、前期型が標準車が明るいブラウン系内装、ブルー・メタリック2トーン外装色にブルー系内装にモケット+ビニールレザーの組み合わせ。1986年、ビニールレザー張りだったリアシートを、フロントシートと同一のモケット生地に改めた。1987年のマイナーチェンジ以降は2.7VXのみがダークブラウンに毛足の長いディンプルモケット生地の組み合わせ、4気筒エンジン搭載の標準車にグレー内装、ブルー・メタリック2トーン外装色にブルー系内装とモケット生地の組み合わせとなった。エンジン・ドライブトレイン
エンジンは、スバル・レオーネ|レオーネ1.8LGTターボと共通の水平対向4気筒OHC「EA82ターボ」(最高出力:135ps/5,600rpm、最大トルク:20.0kg-m/2800rpm(いずれもグロス値))を搭載。低くスラントしたフロントノーズのために補機類配置が見直されている(スペアタイヤは、エンジンの上でなく、後部トランク内に収納されている)。3代目レオーネにはFF+EA82型ターボの設定がないため、VSターボは当時の富士重工業のラインナップの中でも異色の存在だった。また、AWDのVRターボの5速マニュアルトランスミッション|マニュアル車には、副変速機「デュアルレンジ」は装備されない。1987年7月のマイナーチェンジで追加された2.7VXには、既存のEA82型エンジンに2気筒を追加した、水平対向6気筒OHC「ER27」エンジンが搭載された。ボアおよびストロークは「EA82」と共通であるが、このエンジンがアルシオーネ以外に搭載されることはなく、事実上、専用設計となっている。最高出力:150ps/5,200rpm、最大トルク:21.5kg-m/4,000rpmを発生した(最大トルク発生回転数は高いが、実際には低域から中域までフラットなトルクの設計であり、偶々4000rpmに僅かなトルクの山がある)。尚、2.7VXはオートマチックトランスミッションで4WDの1グレードだけの設定で、4速にACT-4である。VRのオートマチックトランスミッション車も、スバル・レオーネ|レオーネ同様、それまでの3速にMP-Tから、4速にACT-4となった。6気筒・4気筒シリーズともにトランスミッション・ギヤ比は共通である。この「2.7VX」専用の水平対向6気筒エンジン「ER27」は、1985年10月、第26回「東京モーターショー」に参考出品されたアルシオーネベースのコンセプトカー「ACX-II」で公開されている。「ACX-II」は走行可能なコンセプトカーで、走行シーンも公開されたが、この時点では、同時に参考出